七五三のいわれや
いつ頃どうして始まったのかについては、
ネットで調べればすぐにわかります。
しかし、実際に七五三のお祝いをする
子供を持つ親にとって、
どんな準備をいつ頃すればいいのか
については、詳しく書かれていない
場合もあります。
子供が3歳だったらどうするのか、
5歳ならどうするのか、7歳だったら?
子を持つ親は、
こういったことを気にします。
しかし、ネットには、
3歳のお祝いにはこんな意味があるとか、
5歳、7歳についてもいわれが書かれていますが、
「うちの子は3歳だけど
具体的にどうしたらいいの?」という、
初めて七五三を迎える親にとって
役に立つ情報はまばらのように感じます。
七五三が行われるのは11月です。
小さな子供を持つ親にとって、
秋は何かと行事が多く忙しい時期です。
幼稚園や保育園、小学校では
秋の運動会やお遊戯会があります。
さらに、最近では
ハロウィンも行われるようになり、
七五三のあとはクリスマスに
年末年始と忙しい行事が続きます。
そうなると、七五三だけに
かまけていられないというのが実情で、
特に母親は準備やら何やらで大変です。
七五三の風習は
平安時代の公家の間で
始まったもののようです。
昔は乳幼児の死亡率が高く、
多くの子供が1歳~2歳くらいのうちに
亡くなっていました。
そのため、わが子が3歳になると
親はホッとしたそうです。
昔は「髪置きの儀」というのがあって、
男女とも3歳までは髪を剃っていたのを、
3歳から伸ばし始めるので
3歳にお祝いするとも言われています。
3歳まで髪を剃っていたのは、
おそらく当時は風呂も
完備されていないので
衛生上の問題から、
髪に雑菌が繁殖して
病気になることが
あったからなのでしょう。
つまり、当時の乳幼児は
髪が長いだけで死亡率が
上がったということになりますから、
現代では考えられないことです。
5歳のお祝いは、「袴着の儀」といって
男児が大人と同様に袴を穿くように
なることから始まりました。
7歳のお祝いは、「帯解きの儀」といって、
女児が大人の女性と同じように
幅のある帯を着るようになる
ことから始まったものです。
つまり、もうどれも現代とは
関係のないことばかりなのです。
現代では乳幼児の死亡率も極端に低くなり、
3歳まで生きるのは当たり前となっています。
もちろん3歳まで髪を剃る習慣もなければ、
5歳や7歳で大人と同じものを
着るという風習もありません。
つまり、現代では
七五三の由来のもととなったものが
すべてなくなっているのに、
七五三の風習だけが残っているのです。
これって不思議ですよね。
もうひとつ不思議なのは、
七五三のもととなったものとは
関係がなくなっているのに
「七五三なんてしなくていいよ」
という人がいないことです。
結婚式も古いしきたりが
受け継がれたものですが、
最近では「結婚式はしなくていい」
という人が増えています。
そして写真だけの結婚式を挙げる人や、
海外で挙式する人が多くなっています。
古い習慣を受け継いだ結婚式が
このように多様化しているのに、
七五三だけが厳然と昔のままなのは、
ちょっと不思議な気がします。